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【SSW】演出家植田景子が語る月組公演『舞音』の魅力 Part.1

      2015/12/23

舞音

作品のコンセプト

今回20世紀初頭のインドシナ・ベトナムを舞台にしているんですけども、私も今までわりとヨーロッパ系の作品とかアメリカのとか作品的には作ってきて、初めてアジアを舞台にした作品を作ってみたいと思ったのは、宝塚ってやっぱり100年間オリジナルのミュージカルもレビューも生み出してきて、やっぱりでも今日本でどうしても輸入ミュージカルの方が市場を埋めているじゃないですか。

宝塚も時代の流れと共に色々なものをやっているんですけど、やっぱり本当にオリジナルで作り出す作品の価値っていうものを見直していかないと、せっかく日本でもこうやってオリジナルで作る歴史があり、そこから本当に我々でしか作れない作品を宝塚で作るべきだ…もちろん我々はブロードウェイのミュージカルとかヨーロッパの色々な文化から影響を受けてきて、もちろんその延長線上にあるんですけども、何か本当にオリジナルなものができないかと思った時に、アジアの文化を取り入れたものをミュージカルにするっていうのが、ある意味宝塚でしか作れない作品、世界の中でも本当にオリジナリティのある作品が目指せるかなと思いまして、それで…という考えがまずあって、アジア。

今ベトナムっていうのは、わりと日本の女性の方…女性の方だけじゃないですね、経済的にも今日本と結びついてるので、色々な意味で近くなってきている。ベトナムに興味を持っている方も多いし、ベトナムに行ったことがあるという方も多いですし、そういう意味でもリアルタイムに興味を持って頂ける国かなと思って…実際ベトナムって非常に厳しい歴史の国なんですけども、文化とか人間性とかそういう部分が非常に豊かな国で、フランスの植民地化の時にフランスの影響を受けているっていう、ミックスのカルチャーっていうのも非常に面白いバックボーンだと思いましたし、『舞音』っていう非常にクラシカルなオペラでもバレエでも作られているような、良い意味でステレオタイプなラブストーリーをアジアンテイストを取り入れることによって、ミュージカルとして今までなかったテイストの新鮮な作品に作り上げたいというのが最初のコンセプトでした。

作品を通して伝えたいこと

今回の作品の中でも、これ原作から取ってる台詞ですけども、『一度でも本気で誰かを愛したことがあるなら…』って台詞があって、本当に人間の心が愛であったり、何かに対するパッションであったり、やっぱり自分の心がどうしても求めてしまうものと、でも実際求める方に行った時にそれが非常に困難な道であったり、愛でもそうだし夢でもそうだし、困難な道であった時に、やっぱりその葛藤の中にいつも人間はいるじゃないですか。

でも、その中でもやっと本当に自分の心が求めるものに出会えた喜びとか、それを止めることができないっていうのは人間だっていうのは普遍的なテーマだと思うので、そういう意味で非常に愛の本質的な部分を描いている原作だと思いますし、その好いた腫れたの恋愛の部分だけではなく、本当に人の心が止められなくなった時に、それほど愚かであるのが人間だし、でもそこに本当の喜びがあるのが愛だっていう、その原作の普遍的な部分っていうのがやっぱりちゃんとお伝えできればなっていうのがあります。

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シャルル役の龍真咲について

まさおとも、あまりお仕事する機会がなくて、下級生の頃しか知らなかったので、今回初めて一緒に仕事をして、演出家としてまず非常に面白かったし、楽しかったです。龍という人が非常に感情が豊かで、出てくるものが面白い。元々原作のデ・グリューいうのが龍に合うなと思ってそこからの発想ではあるんですけども、非常にまっすぐなパッションとか愛にのめり込んでいく部分の直情的な部分っていうんですかね、そこが非常に強く出てくるのが良いと思いましたし、お芝居の捉え方もすごくよく考えていて、やっと自分の中でどんどん膨らませて、どんどん色んなものを感じながら、稽古場で作ってくるっていうのが人それぞれお芝居の作り方っていうのがありますけども、見ていてそれを稽古場で毎回毎回100%で出してくるので、そのエネルギーが非常に稽古場を集中力高めてくれるし、非常にエキサイティングな稽古場でした。

マノン役の愛希れいかについて

非常に苦戦だったと思います。まずもう出てきた時のオーラみたいなものが、誰をも魅了するような役ですし、作品的に何かをして男を誘惑するわけじゃなく、彼女の奔放に生きている、自分の心のままに生きている、そこから放つものが側にいる男性にとっては非常に、いけないとは思いながらも彼女と一緒にいると単純に楽しいとか、心地いいとか、安らぎ、本当に本質の部分をどんどん開かれていくというような、そこだと思うんです。

今回特にシャルルというフランスの海軍将校を貴族の出身でエリートの海軍大尉である意味、こうしなくてはならないという非常に閉鎖的な、非常にプライドが高くクローズな世界で生きているシャルルが、アジアの地でフランスのプライドの高い女性とは全く逆の心のままに生きている女性に出会った時に、シャルルの本質の部分が動かされて行くっていう設定で考えていたので、そこがちゃぴちゃん的にも、心をオープンにっていうところが一番苦労した部分で、あと女性の部分っていうんですか、ある意味女性のズルイ部分とか…男にちやほやされていい気になってる部分とかも含めて、女性の結構本音の部分を出していかなきゃいけない役…嫌な部分も深めて。

でもそれを解放して出すことでリアリティーが出てくる役なので、そこの2つの大きな課題に日々…彼女も非常に負けず嫌い、与えられたものに対して非常に果敢に取り組んでくるタイプなので、苦しみながらもどんどんどんどん自分でその壁をぶち破ろうとしてくれていると思います。

クリストフ役の凪七瑠海について

原作のアベ・プレヴォーは聖職者で、自分自身が快楽や欲望の部分と聖職者としてこうあらねばならないという部分の葛藤の中にいた人物で。この『舞音』という作品も彼の理性と感情の葛藤の中から生まれ、それがテーマになっているという解釈もあるんですけども。

クリストフはそこを語ってくれる人物で、やっぱりシャルルのこうあらねばならない自分というのを表現するという設定で、やっぱり非常にキーポインターであり、今回凪七には…非常に正統派の男役だと思うんですよね、良い意味でのエリート感っていうんですかね、そうものを非常に合うかなと思いましたし、今回稽古場で最初はちょっと私物足りなかったんですけど、後半のハノイの終盤戦をやり出したくらいにグっとお芝居が変わって、クリストフの葛藤…自分が持っていたシャルルとの友情関係とか、自分には分からない愛の部分とか、そういうものに自分が混乱していく葛藤とか、どうしようもなくもどかしい想いとか。そこの感情的な部分を非常に凝縮してハノイに行ってからのシャルルとの場面でクリストフが表現してくれていて、それがやっぱり非常にシャルルの心も映し出してくれていて、とても良い仕事をしてくれていると思います。


…景子先生、語る…!!勉強になります!

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