アロハのOBA帝国 チョロ散歩 【SSW】花組公演『新源氏物語』光源氏を取り巻く女人たちPart.2

【SSW】花組公演『新源氏物語』光源氏を取り巻く女人たちPart.2



新源氏

出演者

花野じゅりあ(葵の上)

桜咲彩花(紫の上)

仙名彩世(朧月夜)

柚香光(六条御息所)

それぞれのライバルは??

(桜咲):私が思いますに、紫にとって本当に…私も北山で育てて頂いてはいるんですけども、尼君様も亡くなり、父上にも会えず、母上は幼い頃に亡くなっていて、その親への愛っていう部分もきっと源氏の君様に抱いていたと思いますし、でも北山を離れ、育てては頂いていてもきっと1人しかいない愛の対象といいますか…全ての愛が、源氏の君様しか知らなかったのかなと。

(花野):その親の愛を知らない寂しさを分かち合っているようにみえますよね。理解していて、その寂しさを自分も分かっているからこそ大きく包み込むような愛で愛せたのかなっていうふうに客観的に思います。

そんなに優しいけども、ライバルはいなかったんですか?この人は私でもどうしてもやっぱり意識しちゃうみたいな。それぞれね、やっぱり。私は身近に六条さんのことを車争いで感じるというか出会う機会があったから、六条さんだったり、誰なんだろう?っていう人はずっと本当に愛してるのは…っていうのはありましたけど…。でも色んな方のことご存知で。

(桜咲):ライバルと言いますか、やっぱり心がもたなくなったのは、女三宮さんの存在なのかなとは思うんですけど。

(仙名):私ライバル…考えてたんですけど、ずっとこの人は…っていうそういう競争はしてない気がします。その時々源氏様と会うことがとても幸せで、愛してくださっているというのを分かっていると思うので。だから自分が一番!とかそういう考え方ではないのかなと。

(桜咲):なんか本能的な感じがする。

(柚香):ライバルというよりは、自分に足りなかったというか、自分になかった…源氏様が離れて行ってしまった原因の1つとして、安らぎの空間を自分は作ってあげることができなかったというか。やはり源氏様は自分と一緒にいると、どこか構えてしまったり、疲れてしまうような…

(花野):自分が愛することでいっぱいになってしまったんでしょうね。

(柚香):なので、そういった意味では紫の上さんがやっぱり全てを包み込んで、安らぎの場を与えるやっぱり一番の源氏にとっての方だと思うので、そういう意味では紫の上さんのような女性に憧れていたんじゃないかなというふうには思います。

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れい君、スイッチ変えて頂いて…新人公演で演じた光源氏の目線で…

(花野):新人公演で源氏の君を演じておりましたが、その源氏の君から4人の女人方を見てどういう風にそれぞれに対して思っています?

(柚香):あくまで私が考える光源氏像なのですけども、やはりすごく4人の女人衆はもちろんすごく素敵で魅力的なんですけれども、やはり藤壷さんの占める割合がとても多くてですね。どこかで藤壷さんが頭の中にいながら、皆さんと接してしまうというのが大前提にあるんですけども、葵の上さんはやはり最初からとても壁を感じていて、それにすごくどうしたらいいのか分からなかったり、切なさだったりを覚えているんですけども、最終的に心惹かれ合うことができますが、その後すぐにお別れになってしまうので、本当に最後はもう少し早くこの時を迎えられていたら…という。少し苦い思い出、別れてしまうという感じがあるので、葵の上さんは切ないですね、関係性が。正妻でありながら、本当に最後の最後でしか分かり合えないっていう切なさはすごく感じますね。

朧月夜さんはやっぱり本当に平安時代の恋遊びというか、一番象徴するような関係性といいますか。スイッチを入れられる。藤壷さんだったりとかっていうのにも、もちろんずっと情熱的に恋心を抱いてはいるんですけども、朧月夜さんはもっとブワっと情熱的な火がともる感じがします。届かない人を追いかけたり、障害がある恋を乗り越えてというのにとても燃え上がる質を持っているので、そういった面でも朧月夜さんは政治的な面でも、本当は恋仲になってはいけないという壁もありますし、そういった面白さでまた燃え上がっていったのかなという風に感じています。

紫の上さんは、やっぱり出会いから藤壷さんの面影がどこからか匂い立ってきていて、とても可愛らしくて。その子を自分好みに育てていくわけですよ。理想の女性に。自分の家に連れてきて。やっぱり一番4人の方の中では心の距離感は近いと思いますね。安らぎだったりとかっていうのも一番感じていると思います。だから女三宮さんがいらっしゃらなかったら、もうちょっと平和に紫の上さんともいれたと思うんですけど。

六条御息所もみんなの憧れる高貴な女性を自分の物にしたいという若さ故の情熱から、アプローチをかけるんですけども、それがだんだんやはりそのような方と一緒にいるためには、自分も構えてちょっと対等にというか、自分ももっと魅力的な男性と感じてもらえるように気構えをしてから行かなければならないという本当にリラックスをして、お会いできる方ではなかったので、そこに疲れてしまったんだろうなというのはありますね。

(花野):日に日にみんなの愛を深めて、もしかしたら急に最終的に藤壷さんじゃなくって誰かに変わってるかもしれない、東京で。誰かの愛が勝りすぎて…

(柚香):最後のセリ上がりで違う方が上がってくる…

(花野):違う方が上がってくるかもしれないぐらいの想いを胸に。皆さんで頑張りましょう!

東京公演に向けての抱負

(柚香):毎回毎回本当に回毎に同じ台詞で同じ段取りで同じお芝居をしているんですけども、毎回わき起こる感情がちょっとずつ違うので、それがとても楽しくもあり、その変化をまた源氏様への想いを深めていく力と変えて。もっともっと六条としましては、自分の想いを抑えている抑えているという力が反動となって、バーンと車争いの時に出てしまうという、抑える力というものをもっと出す訳ではないですけど、にじみ出てしまうような想いを強くしていけたらなと思います。

(仙名):大劇場でも毎回源氏の君様の目を見て会話できるように意識しながら芝居させて頂いておりましたが、東京公演ではもっともっと情熱的な場面になるように、もっとまっすぐ源氏様を見つめて、そして朧月夜の奔放な華やかさというのをもっともっと研究して、素敵な女性に演じられるように頑張りたいと思います。

(桜咲):私もお芝居させて頂ける幸せを胸に、日々の変化を楽しみつつ、紫の上という人物の存在をもっともっと深く表現できますよう、そして紫の心をもっと動かせるよう千秋楽の幕が下りるまで、役と戦っていきたいと思います。

(花野):2場面で葵の上という人物を表すのがとても難しいなと思いながら、日々演じておりますが、源氏の君を通して葵の上という女性を見た時に、お客様からどこか共感して頂けるような部分が分かりやすく演技としてしていけたらいいなと思っておりますので、その辺を見て頂けたら嬉しいです。


…4人それぞれの愛し方…深い。それにしても光源氏パワフル…

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