行ってまいりました!たまきさん主演の月組全国ツアー公演。
ムラで星組こうもりを見てから移動して来たら、大ちゃん&翔君も同じく移動してご観劇されてて嬉しかったです。
※※ネタバレあります※※ご注意ください※※
お芝居『激情』
自分的にやたら色っぽいジプシーの女性がひもで兵士を誘惑するシーンが印象的な『激情』。
たまきさんの胸板、そして背中の広さがもうどうしようもない!!!!
色々と心配でたまらなかった全ツ。そんな心配を吹き飛ばすたまきさんの集中力でした。
やはりたまきさんは真ん中こそが似合う、確固たる2番手経験を積まないでトップという立場になるのには不安要素も多くあるかもしれませんが、このタイミングでの就任もイケると劇団が踏んだだけの独特の落ち着きとオーラがある方だと思いました。
そして…こんなにもリアル男性としての本物の色気を舞台から感じたことがあったでしょうか、いや、ない!
例えば蘭寿さんの大人の色気に、ほとばしる若さを足し、そこに無理なく男性に重ねられる肉体が備わっている=最強。
変態的かもしれませんが、こんなに…なんでしょう、『女役と男役の演じているラブシーンである』ということを忘れた絡みはなかった。
ストーリー的にはシンプルで、月組前作の『舞音』とすごく被るんですが、なんともいえない内包した熱さや、避けて通れない運命感が抽象的なセットや心情を表すダンサーたちの存在によって、観客を主人公の抱える闇へ誘うような濃厚な仕上がりでした。
『月雲の皇子』しかり『Bandito』しかり。たまきさん演じる主人公の、1人の生きる人間としてのリアルな感情の積み重ね方には、毎回感動を覚えます。
ちゃぴがリミッター解除??互角な戦いにゴクリ…
かちゃがストーリーテラーとして登場する場面から、カルメン登場まで若干地味な場面が続きますが(失礼)、ちゃぴの登場でグンと場面が息づいて。
彼女の持つ生命力がひしひしと伝わってきます。
そしてこれまで、そこまでちゃぴに色気というものを感じたことがなかったのですが、今回はすごい。
身体のくねらせ方、そっと頬を寄せる仕草、これまで積み重ねてきた娘役の極意を結集したような素晴らしさ。
タイトルロール的なヒロインを演じるには、ねねちゃんやちゃぴのように長身の娘役さんは存在感と説得力があっていいなと思いました。
(↑これが成立するためには、組む男役さんのガタイの良さが必須な訳で、今回そこをクリアできてるのが観客的には大変に大きい。)
もう、ちゃぴの遠慮しない!ガンガン行く!というパワーに乗っかって、さらにたまきさんの集中力が増し、相乗効果でしっかりと2人の徐々に狂っていく恋愛模様が伝わってきました。
…しかし、ちゃぴは本当にいわゆるトップ娘役というカテゴリーにはくくれなくなってきている気がします。
それが良いか悪いかは置いといて、今回の全国ツアー公演を成立(いや、これほんと大成功な気がする)させている要素としてはとっても大きいものだと強く感じました。
正反対の2つの役を演じわけるかちゃの安定感
ストーリーテラー役ってすごく難しいと思うんですが、すっと出てきてちゃんとそこに目が行くのはやはりベテランの佇まいだなと思いました。
かちゃのお芝居は余韻というか、何か考えさせられる余地があるところがとても好きです。
後半のガルシアはビジュアルが素敵。(ただ、たまきさんとの対決は体格差がちょっと…でもたまきさんと互角に戦えそうなのは…としちゃん、ありちゃん、まゆぽんくらいか…)
最近ひしひしとかちゃの宝塚愛というか、理想とする男役像や研究されたポージングのすばらしさを味わっております。
やっぱり舞台に登場するだけで安心感をもたらしてくれる大きな存在だなと改めて実感。
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ジプシーのみなさん。
もう…月組にジプシーやらせたら間違いない。
なんか群衆芝居の土着感?みたいなものが色濃く伝わってくる気がするのです。
特に今回娘役さんたちの生き生きっぷりが半端なかった!
ちゅーちゃん、すーさん、なっちゃんの頼りがい。はーちゃん、時ちゃんの安定感。
今回ダンサーとして活躍しまくっている玲実くれあちゃんと香咲蘭ちゃんも大人の色気むんむんで最高でした。
そして男役陣。
としちゃんとまんちゃんのダンスリーダー!
としちゃんとちゅーちゃんとカップルだったんですけど、思わず嫉妬するいちゃつきぶり!!!
まゆぽんのずるいずるいずるいビジュアル。ああ、ずるいずるい。
個人的に優ひかる君がわりとセリフがあって、可愛い役作りで幸せでした。(ここ重要)
軍人のみなさん。
ナガさんが、今回ちょっと癖のあるお役で色っぽい。(ここも重要)
ぐっさん(春海ゆう君)が着々と力つけてきてる印象が。
れんこんも麗しかった。かなりガシガシ踊ってた!れんこん…ダンス、踊り、お芝居3拍子揃ってて素晴らしいじゃないか。
兵士役も経験を重ねるほど、場面に出てきただけで緊張感や説得力が醸し出されていて良いです。
軍服がね…
1点だけ苦言を呈するとするならば、やはり軍服のデザイン・配色であろうか…
黄色軍手なあ、黄色なあ…
あの戦場カメラマン的な帽子もね、もうちょっと早い段階で取ってくれてよかったぞ!
ああ、でも脱いだ軍服を急いで着るたまきさんの色気よ…あの事後感…最高…
とにかく、見てほしい、手に汗握るラブシーン
ここをそんなに強調するのもどうかと思うんですけど…まあ激情っていうテーマですし…
今回3列ぐらい前に小学生のお嬢さんたちが座ってまして、思わず大丈夫かしら…と心配になりましたが…
いやあ、とにかく素晴らしかったんです、ほとばしる情熱で軍服を脱ぎすて、カルメンにとびかかっていく熱情が…
そして何が素敵って、横たわるたまきさんの黒シャツに覆われた広い背中…
ちゃんと筋肉の存在が伝わってくる素晴らしい背中よ…
もうこうして書いていると変態ですね。
お芝居最後のすべてを経験して、次のステージに行ってしまったようなたまきさんの表情も至高でした。
…1人1人が役割をしっかりと果たし、総力戦で作り上げた月組の『激情』。
骨太で熱くて熱くて魂のこもった素晴らしい舞台でした。